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ライティングは強い黄色みのあるスポットライトと上から柔らかな蛍光灯の2光源、モデルは2時間のポーズです。
方法としては全体に一色の肌色を入れて、そこから描き進めていきます。
まずは軽く線引きです、線の色はバーントシエナを薄くした色で、この時点であまり自身の無い方は鉛筆で丁寧に下書きをするのも良い方法です。
私も細密画を描く時はそうしています。 |
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線が引けたら、全体に中心となる肌色を塗っていきます。
今回のこの色はバーントシエナ、オレンジ、白のミックスです、今回のように早く書き上げようとするならこの色は十分に吟味してください、後で変更の時間はありません。
前も書きましたが、この色はその日のライティング、人種、また画家自身の持っていきたい方向等で変えるべきでしょう。
例えばピカソの青の時代は元となる肌色が青味がかっていますね、レオナルド藤田は白っぽい色です。
この色は沢山作っておいてください、後でこの色からどんどん他の肌色を作っていきます。 |
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次にバックも、この時は肌とのバランスからバーントアンバーで塗りました。 |
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続けてバックを塗っていきます。 |
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次に肌の暗い部分も、塗ります、同時にバックの中で一番暗くなる色も塗ります、この色はこの絵の中で一番暗い色(大抵は真っ黒には塗らない方が絵に味が出ます)です、これを一応早めに入れておく事で全体の色のバランスがつかみやすくなります。この暗い色と肌色の関係を見ながらその他の色を作っていきます。
絵を描く時に色を決定するのはバランスです、洞窟の中で絵を描いているのか、青空の下で絵を描いているのかで使う色が変わってくる訳です。
絵は現実世界の有る部分だけを切り取ったもので、すべてを描こうとはしないでください。 |
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肌色の中の暗い部分の中で色味の違う部分を塗ります、この場合は光源が2つ有るので、暗い部分も2色の色が出てきます。
つまり、一番強い光源はスポットライトの光源です、これは少しオレンジ色になります、それがだんだんと茶色側へ暗くなっていきます。
次の光源は天井の蛍光灯です。
こちらは弱いのですが、スポットライトの全く当たってない影の中の部分、この場合は絵の左側等が灰色の影になっています。 |
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次に明るい肌色を塗っていきます、当然この色はスポットライトに向かっている面が明るくなります。
先ほどの肌色に白と黄色を加えて作ります。 |
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肌色を全体に塗った後、ブレンドしていきます。
この時にブレンドの幅がとても大切ですからよくモデルを見て調整してください。
当然角度の急な所はブレンド幅が少なく、お腹や胸のような緩やかにカーブしている所はブレンド幅が長くなります。 |
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肌がある程度、出来てきたので、バックを塗り込んでいきます。
今回もバックは軽く行きたかったので、そこに有る物を意識しながら抽象的に描いていきます。
具象的な人物に対してこういうバックの抽象は面白いと思います。
特に時間がない場合は大切な部分(人物)はしっかり描き込み、対してそうでない(バック)部分は時間をかけすぎない努力が必要です。 |
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バックを塗りながら同じ色が人物にもあったので、肌の一番暗い所(太腿の裏)を塗りました。 |
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顔を少し描き込んでみました、このポーズの場合顔は下から見上げた角度になっているので、唇は少し下向きにカーブします、いわゆるへの字に近くなっているので、思い切って描いてみます。
また鼻は描きすぎずに何となく盛りあっがた感じくらいがいやらしくなくて良いと思います。あとで、少しディテールを描き込めば以外に雰囲気が出ます。
鼻の穴等を丁寧に描くと、なんだか研ナオコの似顔絵のようになってしまいますから(笑) |
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まぶたと鼻のディテールを描きます、鼻は少し赤みを帯びた部分、また同じ色で、頬も。
まぶたは半分閉じたようになっている二重まぶたの線とハイライトを描きます。 |
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仕上げに体のハイライトを入れていきます、この色はあまり強く入れ過ぎないように、効果的に入れましょう、この場合乳房の一番明るい部分や腰にちょっと、また顔もよく見ながら入れすぎないように。
またバックに少し緑を入れて赤い色との対比を作り印象的な効果を出すように、特に絵の右側の緑の線は黄色と緑をあまりパレットで混ぜずにさっと引いています。
これで完成です、いかがでしょう?
今回は全体に軽い感じに仕上げています。
こういうのも面白いと思います。
この後もし時間が有ればもっと色々描き込む事も楽しいでしょう。 |