この日は朝9時に皆で集まるということだったので、前日に一応キャンバスの下塗りだけはしておきました。 セッションは基本的に25分ずつ、5分の休憩を挟んでまたポーズということになっています。 ステップ1 下塗り 白に少しだけバーントアンバーを混ぜたものを塗っていきます。この作業は前の日にごく薄く塗ったので、当日はある程度乾いていました。アラ・プリマだからこれも当日すべきだろうという意見も有りますが、まあ、下地が塗ってあると多少なりとも作業が楽にはなります。
ステップ2 線描き 最初のセッションでまず丁寧に線引きをしていきます、まずはバーントシェンナと白を混ぜた色で線を引いていきます。 ここではとにかく薄く細く丁寧に描いていきましょう。 ここではドローイング(デッサン)の技術が大変大切になってきます。 一応具象画を描こうという気持ちが有ればデッサン力は必ず必要です。ドローイング(デッサン)の技術についてはまた別の機会に丁寧に解説しますからここではごく簡単に、、、 まず大体の構図を決めて、キャンバスの中にいれる人物のサイズを決めていきます。 実はこのとき私は一度、横描きにしようとキャンバスを横にして、描き始めたのですが、途中で気持ちが変わりキャンバスをひっくり返してまた描き直しました。 このとき線描きの色はやっと見えるくらいの薄い色でアタリをつけて、描き加えながらだんだん濃い色にしていく。 油彩での大切な事はいくらでも描き直せるので、その利点を最高に利用するという事です。 私の線描きをみれば、足の長さで描き直したのがわかると思います。
ステップ4 肌色を全部塗る。さらに明るい部分を先ほどより微妙に明るい色で塗る。また最後の明るい色を白とオレンジ(肌の色によって配合は変える)を加えて作り塗る。 ここでは肌色を4色に分解していると言う事を理解してください。 そして暗い部分から塗っていくという事、最初に塗った下地の色は明るめの肌色より彩度を下げた物だったという事に気づいてくれれば大正解です。
最後に顔のアップ、あまり小さな筆は使わず、ディテイルにこだわらずに、シャープなエッジ等はハイライトのみです。 たとえモデルに似ていなくてもあまり気にしないでください、もっと大切な物を優先しましょう。 この作品の場合は人物の存在感、環境、空気のような物です、その上でカウチに座った女性がちょっと物憂げと言うかアンニュイな感じが出ていれば成功なんですが、、、、
以上5時間でのアラ・プリマでした。
画家の言葉: 絵を描くというのは大変個人的な事でもあるので、ここに書かれているような事を守る必要は全く有りません。 ただ同時にある程度の技術やコツを身につければ画風に幅が広がり、そうでなかった頃に比べ、筆や絵の具をコントロールしている自分を感じることができ、よりいっそう絵画の楽しさが見えてくるとも思います。 今回はまず線引きをしてそれを元に塗り込んでいくという手法をとりましたが、他にもいくつもメソッドは有ります、他の技法やデッサンについてもまた日を改めて説明をしていきたいと思います。 上に書いた情報が少しでも皆さんの絵画の助けになれば幸いです。
また次回日本に帰国した時にでも、場所とモデル(プロでなくても結構です)をご用意いただければドローイング(デッサン)のデモンストレーションでしたら喜んでお引き受けしますのでご遠慮なくお問い合わせください。
同時に絵を勉強している人からの質問を受け付けています。 初歩的な事でもどんな事でも遠慮なくどうぞ。
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